こんにちは。和工房 包結Web担当の城下です。
先日、久しぶりに和工房 包結のアトリエで森田と直接会ったのですが、教室がお休みになっている間に断捨離と片付けを敢行したという事で、アトリエがすっきり広々としていました!
さらに、いつもより時間をたっぷりかけて制作できたという新作の水引作品の数々。とても素敵でしたので、今回ご紹介できるのがとても嬉しいです。
二ヶ月ぶりの開催となった6月の京都教室「縁起ものをむすぶ水引の会」。
テーマは「厄除開運」。山鉾・金魚提灯などを結びました。
ユネスコの世界文化遺産にもなっている祇園祭。
京都に住む人間にとっては言わずと知れた夏の風物詩。和工房 包結のアトリエも山鉾町内にあります。
釘を一本も使わずに山鉾を建てる「縄がらみ」という伝統技法は、水引の結びにも通じる所があり、森田にとってはずっと作品化したかった祇園祭の山鉾。
それがなんと今年はコロナウイルスのために祇園祭が中止に……。残念ですが、こんな時だからこそ、ぜひ水引の祇園祭を楽しんでいただければと思います!
水引山鉾のミニ巡行!
先頭から長刀鉾、蟷螂山、菊水鉾、四条傘鉾、船鉾です。
一つ一つは手のひらに乗るサイズです。
山鉾を彩るタペストリーなどの装飾品の色合いを水引の結びで表現しています。
今にも動き出しそう!
長刀鉾(なぎなたほこ)。
祇園祭の山鉾巡行の順番は、毎年くじ取りで決められますが、長刀鉾は「くじ取らず」。必ず、先頭は長刀鉾と決まっています。
天高くそびえる大長刀は、現代でもおおっと目を見張る高さです。高層ビルなどなかった大昔には、どんな気持ちで眺められていたのでしょう。
蟷螂山(とうろうやま)です。
大きなかまきりが上に乗っていて、からくり仕掛けで動きます。大昔から現代に至るまでとても人気のある山で、洛中洛外図などの絵図にも必ず登場します。
横から見たところ。結びのシンプルな形でかまきりを表現しています。
菊水鉾。
こちらもかなり大きく豪華絢爛な鉾です。
各山鉾の粽にはそれぞれご利益があるのですが、菊水鉾の粽は「商売繁盛」のご利益があるので、会社やお店に飾られているのをよく見かけます。
四条傘鉾。
応仁の乱以前に起源を持つ大変歴史のある鉾です。現在の鉾は昭和60年に再興されたもの。
船鉾(ふねほこ)。
その名の通り船の形をしていて、宵山でも巡行でもとても目立ちます。
第14代天皇仲哀天皇(足仲彦天皇)の后、神功皇后が妊娠中、男装して戦い勝利した事に由来しているそうで、粽は安産祈願のご利益があるとか。
いつもなら今頃は前祭の巡行。
来年は無事に祇園祭が行われるよう願っています。
所変わって、こちらは山口県柳井市の夏の風物詩、金魚ちょうちんです。
柳井の白壁の町並みを彩る「金魚ちょうちん」は、まんまるの目と口がかわいらしい民芸品です。
毎夏、数千個の金魚ちょうちんに明かりを灯す「柳井金魚ちょうちん祭り」が行われますが、今年はこちらも中止だそう……。
水引で結んだ小さな金魚ちょうちん。
ひらりと垂れ下がった尾びれの形をきれいに結ぶのがポイントです。
部屋に飾って、夏の雰囲気を味わいます。
そして今回の「シークレット」(おまけ?)はこちらです!
コロナウイルスによる自粛中、あっという間に人気キャラクターとなったアマビエ様です。
向かって左のアマビエ様はリボンを、右のアマビエ様は小さな王冠をちょこんとかぶっています。
アマビエは、江戸時代後期に製作されたとみられる瓦版に類する刷り物に、絵と文とが記されている。肥後国(現・熊本県)の夜ごとに海に光り物がおこったため、土地の役人がおもむいたところ、アマビエと名乗るものが出現し、役人に対して「当年より6ヶ年の間は諸国で豊作がつづく。しかし同時に疫病が流行するから、私の姿を描き写した絵を人々に早々に見せよ。」と予言めいたことを告げ、海の中へと帰って行ったとされる。
アマビエ 2020年7月9日 (木) 08:48 ウィキペディア日本語版
上手とはいえない画力で描かれたアマビエ様。
予言めいたことを言うだけ言って海の中に帰っていくという行動もユーモラスで、一躍人気者になりました。
水引でアマビエ様を結べば、姿を描き写すのと同じご利益があるかもしれませんね。
和工房 包結の水引の会 京都教室「縁起ものをむすぶ水引の会」8月のテーマは「無病息災」
訶梨勒(かりろく)・猫蝶を結びます。
「かりろく」って何?初めて聞く方もいらっしゃるのではないでしょうか?ぜひお楽しみに。
猫好きとしては「猫蝶」も気になります。
まだまだコロナとの共存が続くこの時期、「無病息災」を願って水引を結ぶ時間を楽しんでみませんか?