こんにちは。和工房 包結Web担当の城下です。
ここ数日の京都は、春のように暖かくなったかと思えば雪がちらついたりと、まさに三寒四温。
同時に花粉も本格的に飛び始めたのか、鼻がむずむず……
体調を崩しやすい時期ですので、みなさまもどうかご自愛くださいね。
さて、和工房 包結 2021年の京都教室のテーマは「世界の装飾文様」。
今年はテーマの進め方が少し変わり、ほぼ毎月新しいテーマとモチーフは登場しますが、次の月も先月のテーマを選んでいただく事ができます。
じっくり時間をかけて大物に挑むのもよし、毎回いくつか登場するモチーフの中から、一つだけでなく色々作ってみたい方にも楽しんでいただけると思います。
1月のテーマは「アール・ヌーヴォー 花と女性・曲線・唐草」でした。
アール・ヌーヴォーは、フランス語で「新しい芸術」という意味で、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に興った国際的な美術運動です。
同時代にイギリスでウィリアム・モリスが始めたアーツアンドクラフツ運動に大きな影響を受けており、機械で大量生産された質の悪い物作りへのアンチテーゼとして、職人の技や芸術を通じて生活を美しくしていこうというコンセプトを持っています。
花や植物、昆虫などの有機的なモチーフとそれらの持つ曲線、日本やケルトなどの装飾文様、当時の新素材であった鉄とガラス等の異素材などの組み合わせが用いられ、装飾的でエレガントな雰囲気が特徴です。
こちらは百合のランプです。
アール・ヌーヴォーを代表する画家であるアルフォンス・ミュシャの作品によく登場する花でもあります。
つるバラのランプです。
蔓の持つ有機的なフォルムはアール・ヌーヴォーの装飾にしばしば見られます。
こちらもよくアール・ヌーヴォーに登場する花、ポピー。
茎の美しい曲線がアール・ヌーヴォーの作家達に愛され、学名の「Papaver」が「よく眠れる」という意味を持つため、ベッドの装飾によく使われたそうです。
アイリスもミュシャの作品やアール・ヌーヴォーの装飾によく登場する花です。
浮世絵にも登場する機会が多く、アール・ヌーヴォーと日本美術の関連性を感じさせます。
今回、大注目だったハンドバッグ!
ジャポニズムの影響を大きく受けていた19世紀末〜20世紀初頭のパリで、もしこんなハンドバッグが発表されていたら……と想像が膨らみます。
アール・ヌーヴォー風のヴィンテージドレスに合わせたところを見てみたい!
こちらはフェイクファーを使ったハンドバッグです。
水引とフェイクファー、金属という異素材の組み合わせや、エレガントな雰囲気がアール・ヌーヴォー的。
洋装にはもちろん、大正ロマン風の着物と合わせても素敵でしょうね〜。
次回、3月の京都教室では
2月のテーマ「パリ アール・デコ」か、3月のテーマ「アーツアンドクラフツ」どちらかを選んで結んでいただけます。
第一次世界大戦後、装飾的で高価になりがちな「アール・ヌーヴォー」は廃れて、工業的で安価に製造でき、都会的な雰囲気を持つ「アール・デコ」へと流行が移っていきました。
反対に「アーツアンドクラフツ」は「アール・ヌーヴォー」のルーツとなった芸術運動で、ウィリアム・モリスやリバティ・プリントの名前を知っている方も多いと思います。
「アール・ヌーヴォー」を挟んだ2つのテーマ、関連性や違いなどを楽しみながら結んでみましょう!
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