和工房 包結 ブログ

シルクロードをむすぶ水引の会「敦煌」琵琶, 飛天, 三日月

和工房 包結 京都教室「水引の会」9月の教室で結んだ作品をご紹介します。

古代インドで天界の舞姫として信じられたアプサラスにその源流をもつといわれている、飛天。
仏教の広まりとともにガンダーラから中央アジア、中国へと伝わる中で、空を舞いながら音楽を奏でる天人としての姿が形づくられました。
日本へは仏教とともに伝わり、法隆寺金堂などにその姿を見ることができます。
水引が描くしなやかな線が、空を舞う飛天の軽やかさを引き立てていますね。

飛天たちが奏でる楽器、五弦琵琶を水引で表現しました。
琵琶は本来四弦が一般的ですが、敦煌の莫高窟壁画には、五弦琵琶を奏でる飛天の姿が描かれています。
シルクロードを通じてインドから西域、中国、そして日本へと伝わる中で、その形や音色も変化を重ね、やがて正倉院にも五弦琵琶が伝わり、天上の音楽を象徴する存在となりました。

「敦煌」という名をもつバラを、水引で結び上げました。

淡いクリームから白へと移ろう花びらの色合いが、砂漠のオアシスに咲く花のような静かな気品を感じさせます。

こちらは「シルクロード」という名をもつバラ。

東西の文化が交わり、さまざまな美が行き交ったシルクロードの豊かさを思わせます。

敦煌の砂漠の中に今も湧き続ける「月牙泉(げつがせん)」を結んだブローチ。
砂丘の間にひっそりと横たわる泉の形が、まるで三日月のように見えることからその名がついたといわれます。

はるか古代に中国から伝わり、弥生・古墳時代には祭祀の道具として珍重された銅鏡を水引で結びました。
鏡の文様や造形の美は敦煌の装飾美術とも共鳴します。

ちゃんと鏡になっていますよ!

敦煌のある中国・甘粛省の隣、四川省はジャイアントパンダの生息地として知られています。
愛らしいパンダの姿を、水引の結びで立体的に表現しました。

見ているだけで思わず笑顔になってしまう魅力的な後ろ姿です。

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