
毎月決まったテーマで水引作品を結んでいただく「水引の会」。2026年のテーマは「にほんの時代」です。
昨年のテーマ「シルクロード」では、ローマを出発し一年をかけて飛鳥(奈良)へと辿り着きました。
そして今年は、たどり着いたこの日本の地でさらに時代をさかのぼり、縄文時代から、日本の歴史をひもといていきたいと思います。
それでは早速、1月の教室で結んだ作品をご紹介します。

まず、縄文時代と聞いて真っ先に思い浮かぶ「縄文式土器」です。
2026年のテーマを「にほんの時代」にすることは、2025年の秋にはすでに決まっていました。
ちょうどその頃、京都文化博物館では特別展「世界遺産 縄文」が開催されており、森田は早速リサーチへ。
特に心を惹かれたのが、土器にあらわれる渦巻文だったそうです。
昨年のテーマ「シルクロード」を通して、普遍的な文様の広がりに触れてきた森田にとって、その渦巻きは、大好きなケルト文様ともどこか通じ合うものを感じさせました。
すっかり縄文の魅力にとりつかれて、その後には山梨県の釈迦堂遺跡博物館で開催されていた「縄文のモノ・まね展」にも足を運んだそうです。

これぞ縄文土器という形の円筒(上層式)土器。
側面に渦巻文をあしらっています。

縄文土器には、蛇を思わせる装飾も見られます。
とぐろを巻いた蛇のように見える土器を水引で結びました。

縄文の土器は、煮炊きの道具でもありました。
貝塚からは、さまざまな貝類が出土しています。
縄文の食卓を想像しながら結んだ、ほたて、あさり、しじみ。

貝塚からは魚の骨も多く出土しています。
土器で煮るほか、直火で焼いたり干物や燻製にもしていたそうです。
炉(ろ)の跡の周囲で魚の骨が見つかることから、獲れたての魚を枝に刺して、焚き火の熱で焼いて食べていた光景が推測されています。
実は魚が大好きな森田。イワシの串焼きの色合いの再現に、並々ならぬ熱意を感じます!

山や森の恵みも、縄文の人々にとって大切な食料でした。
こちらは栗、どんぐり、くるみ。
木の実をすりつぶして焼いた「縄文クッキー」のような食べものも作られていたといわれています。

森には、食べものだけでなく、暮らしを支える素材もありました。
こちらは山葡萄。
実は食べものに、蔓は編みかごなどの道具へと姿を変えました。
鮮やかな紫色の果汁は、布や紐を染める「擦り染め」に使われたともいわれています。

縄文時代には、石や土でつくられた装身具も身につけられていました。
こちらは、縄文のアクセサリーをイメージして結んだもの。
あわび結びの連なりが、縄文の装身具と調和しています。

身を守る願いを込めて身につけられていた勾玉は、縄文時代から古墳時代にかけて長く作られ続けた装身具です。
縄文期には石や土、弥生・古墳期にはヒスイやガラスなど、時代とともに素材も広がっていきました。
そのやわらかな曲線を、水引で結びました。

縄文時代後期から晩期にかけて東北地方を中心に作られた遮光器土偶。
雪中で用いられた遮光器を思わせる大きな目が特徴とされ、その独特な姿は縄文の造形の中でもひときわ印象的です。

豊穣や再生、祈りの象徴とも考えられており、体に施された文様が、あわび結びの連なりと驚くほど自然に馴染みます。

京都教室には小学生の生徒さんもいらっしゃるので、森田が何か結びやすく可愛らしいものも……と考えて用意した、うさぎ。
うさぎは縄文時代にも狩猟の対象として身近な動物だったようで、遺跡から骨が出土しています。
京都教室では、5歳〜小学6年生までは〈子ども価格〉3,700円(税込)でご受講いただけます。
※7歳までは保護者同伴でのご参加をお願いいたします。