こんにちは。和工房 包結Web担当の城下です。
9月も終わりに近づき、朝晩はずいぶん過ごしやすくなりましたね。
夏の間はお部屋のしつらえや着るものも、とにかく涼しく過ごすことが最優先だったのが、少し余裕をもって季節感を楽しめるようになってきました。
おいしいものや美しいもの、心を豊かにしてくれるものとたくさん出会いたい季節です。
さて、京都教室のにほんのならわしをむすぶ水引の会、8月は「八朔、重陽の節句、彼岸花」でした。
重陽の節句(9月9日)は、桃の節句や端午の節句などと同じ五節句の一つです。
陽(奇数)が重なる日であり、奇数の中でも一番大きな9という数字が重なることから、重陽といいます。
現代では他の五節句に比べると影が薄くなってしまいましたが、
もともとは五節句の締めくくりとなる大事な節句として、お祝いとともに厄祓いが行われてきました。
重陽の節句は、菊の節句ともいわれます。
薬草として用いられてきた菊を酒を飲んだり、菊を鑑賞して楽しんだりと菊の花が欠かせません。
こちらは、「菊の着綿(きせわた)」を水引細工であらわしたもの。
菊に真綿を被せて色や香りをうつし、その真綿で顔や体をぬぐって邪気を払い、不老長寿を願います。
「枕草子」にも登場する古い行事です。
初めてさんでも気軽に作れるタイプの菊の花。
ぽち袋は普段のちょっとしたお礼に使えます。
こちらは、長月のお供え飾り。重陽の節句の菊の花と菊の和菓子です。
初秋にぴったりのやさしい色合いで、お部屋を明るくしてくれますよ。
菊をあしらった、壁掛けタイプの重陽の節句飾りも。
下がりの五色の水引は五行説に基づき、木・火・土・金・水をあらわします。
こちらは「水引の会」では扱っていませんが、オンラインショップから「茱萸袋(ぐみぶくろ)」をご紹介します。
重陽の節句、強い香りを持つ呉茱萸(ごしゅゆ)という実を赤い袋に入れて身に着けたり飾ったりして厄を祓い、無病息災や不老長寿を願いました。
こちらの節句飾りの下部分は、その呉茱萸を入れた袋を表しています。
秋のブーケみたいでとてもかわいらしい壁飾りです。
「八朔」の行事は、旧暦の8月1日(現在の8月25日頃から9月23日頃)に行われていた、田の実の節句です。
稲刈りを前に、未熟の穂を供えて豊作を祈ります。
水引で結んだ黄金色の稲穂は、秋らしさたっぷりですね。
今の季節、突然道端に姿をあらわす彼岸花。
不吉だといわれたり、球根に毒性の物質を含むことからあまり良いイメージを持たれない事もありますが、別名は「曼珠沙華」。
曼珠沙華は天上に咲く花。吉兆をあらわします。
きれいだけどなんとなく毒性が怖いな、という方は、水引細工の曼珠沙華を飾ってみるのも良いですね。
「にほんのならわしをむすぶ水引の会」10月は「紅葉刈り 七五三 髪飾り」です。
秋も深まり、じっくりものづくりに熱中するのも楽しい季節がやってきますね。
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