
和工房 包結 京都教室「水引の会」5月の教室で結んだ作品をご紹介します。

「シルクロード」といえばこのイメージ、砂漠をゆっくりと進むフタコブラクダのキャラバン。
ふたつの大きなコブには脂肪が蓄えられており、過酷な砂漠を移動する長旅でもエネルギーを保つための貯蔵庫となっています。

体を彩る装飾は、持ち主の部族や商人の出自・階級を示す紋章的な役割もあったそうです。遠くから見ても「どこの一行か」がすぐにわかる目印になったのだとか。

砂漠の旅のひととき、ペルシャ絨毯を広げた場所がキャラバンの休息地となります。
旅の仲間であるラクダたちも、しばし足を止めてひと休み。

水引で表現したペルシャ絨毯。
中央の花文様から広がる緻密なパターンには、遠く離れた日本の文様とどこか通じ合う響きが感じられます。

「花喰い鳥(はなくいどり)」は、ササン朝ペルシャ(3〜7世紀)に起源をもつとされる、鳥が花や果実をくわえる姿を描いた優美な文様です。
ササン朝時代の金属工芸や織物を通してイスラム時代に受け継がれ、やがてシルクロードを経て東アジアにも伝わりました。日本でも奈良時代の宝物を収めた正倉院御物の中に同様の意匠が見られます。

こちらはブローチになっています。


色や花のかたちを変えてみると、また違った表情が楽しめますね。

立体的に結び上げた花喰い鳥。
やさしく淡い色合いが、ふんわりとした可憐さを添えています。

花喰い鳥がちょこんと止まった、水引のリース。
オンラインショップにてご紹介しています。
水引の和リース 花喰鳥(カーネーション) 和工房 包結 オンラインショップ

古代ローマの装飾モチーフ「フェストゥーン」を、中東の果物をモチーフに結びました。
これらのフルーツ達も、シルクロードを通じてヨーロッパへ伝わっていったのかな、と想像を巡らせながら。
連なる果実のフォルムに、東西を結ぶ道のりと文化のつながりが重なります。


ぶどう、さくらんぼ、ライム、オレンジ、いちじく、キウイ、ざくろ、アプリコット、レモンなど
色鮮やかなフルーツをふんだんに使った、豊穣と祝福を感じさせるフェストゥーンとなりました。
ご購入希望のお問い合わせもいただいてきました和工房 包結のフェストゥーン。
近々オンラインショップでご紹介できそうです!


どうぞお楽しみに!