和工房 包結 ブログ

シルクロードをむすぶ水引の会「アテネ」アカンサス, 唐草紋様

和工房 包結 京都教室「水引の会」3月の教室で結んだ作品をご紹介します。

優雅な佇まいが特徴のアカンサス(葉アザミ)。ギリシャの国花です。
古代ギリシャやローマの建築装飾によく見られる蔓草文様のモチーフとなっています。

蔓草の装飾は、ヘレニズム文化の広がりとともに中央アジアや中東へと伝わり、さらにシルクロードを通じて中国で花文様として発展します。
そしてその流れは、飛鳥〜奈良時代の日本にも届き、仏教美術や染織、建築装飾に取り入れられ、唐草紋様として現代の私たちにも馴染み深い紋様となっています。

ギリシャ神話では、果物や植物は神々からの贈り物として登場し、愛や試練、運命の象徴として描かれます。
ただの食べ物ではなく、神々と人間、自然や生命をつなぐ神聖な存在とされてきました。

ぶどうはギリシャ神話において、酒と豊穣、歓楽の神ディオニュソス(バッカス)に深く結びついた果実です。ディオニュソスが人々にぶどうの栽培とワインの製法を教えたとされ、ぶどうは豊かさ、生命の喜び、祝祭を象徴する存在となりました。
ギリシャ文化では、ぶどうとワインは神々とのつながりを感じさせる神聖なものとされています。

つぶつぶの果実がぎっしり詰まった感じを水引の結びで表したざくろです。
ギリシャ神話では、冥界の女王ペルセポネと深く関わるざくろ。冥王ハデスに連れ去られたペルセポネが、冥界でざくろの実を食べたことで、一年のうち一定の期間を冥界で過ごさなければならなくなったという神話から、ざくろは生と死、再生、季節の循環を象徴する果実とされています。

女神デメテルに捧げられ、豊穣や恵みの象徴とされたいちじく。
一方、りんごは「最も美しい女神へ」と刻まれた黄金のりんごの神話で知られ、女神たちの争いの火種となったことから、愛や誘惑の象徴ともされています。

オリーブの枝と黒オリーブの実。
ギリシャ神話では、女神アテナがアテネの守護神となる際、人々に贈ったのがオリーブの木でした。海神ポセイドンとの争いで、実用性と恵みをもたらすこの木が選ばれたことで、オリーブは知恵と平和の象徴となり、やがてギリシャ文化を代表する重要なシンボルとして根付いていきました。

こちらはオリーブをくわえたハトのブローチ。
旧約聖書のノアの方舟の物語では、大洪水のあと、ノアが放ったハトがオリーブの枝をくわえて戻ってきます。その姿を見たノアが、陸地が近くにあることを知った――というエピソードに由来して、オリーブの枝とハトはともに「Dove of Peace(平和のハト)」として世界中で親しまれるようになりました。

こちらのブローチ、オンラインショップで販売開始しました!
シンプルで洗練されたフォルムが、水引の結びの美しさを引き立ててくれます。
プレーンなワンピースやカットソーの胸元にさりげなく添えるだけで、ぐっと優しい印象になりそうです。
水引ならではの軽さで、やわらかな素材の服にもやさしくフィットし、ストレスフリーなつけ心地も魅力です。

Dove of Peace(平和のハト)のブローチ【和工房 包結 オンラインショップ】

こちらは知恵と芸術を司る女神アテナの象徴、ふくろうのブローチです。
古代ギリシャでは「アテネにふくろうを持っていく(=釈迦に説法)」ということわざがあるほど、アテネと深く結びついた存在だったそうです。
大きな丸い目がかわいいですね。

こちらのブローチも、オンラインショップで販売開始しました!
爽やかな色合いで、これからの季節にぴったりですね。
女神アテナの知恵と力をそっと借りるような気持ちで、バッグやポーチに添えてみるのもいいかもしれません。

Owl Wisdom(知恵のふくろう)のブローチ【和工房 包結オンラインショップ】

ギリシャのお守り、「マティ」を水引で結びました。右側にあるのが本物のマティで、青い目玉のようなデザインが特徴です。
このお守りは、トルコでは「ナザールボンジュウ」、英語圏では「イーブルアイ」としても知られていますが、その起源はギリシャにあるといわれています。
2000年以上前には、古代ギリシャの船に取り付けられ、航海の安全を願うために使われていました。現在では、嫉妬や妬みなど、悪意ある視線から身を守るお守りとして親しまれています。

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